法政大学大学院で、累計70万部のベストセラー 「日本でいちばん大切にしたい会社」(あさ出版)の著者で、法政大学大学院教授の坂本光司先生の授業を受けています。
私が受講したのは、「新産業創出論」です。
坂本 光司(さかもと こうじ、1947年6月4日 – )
日本の経営学者(地域経済論・地域企業論)。法政大学大学院政策創造研究科教授、特定非営利活動法人SOHO・アット・しずおか理事長、特定非営利活動法人オールしずおかベストコミュニティ理事長、特定非営利活動法人ストリートデザイン研究機構理事長、株式会社アタックス顧問、アチーブメント株式会社顧問、社会起業大学顧問、「人を大切にする経営学会」会長。
目次
日本でいちばん大切にしたい会社”伊那食品”
先週の5月17日(水)に長野県の伊那食品工業に見学に行ってきました。
坂本先生の「日本でいちばん大切にしたい会社 」あさ出版でも絶賛されている会社です。
坂本先生曰く「もっとも優秀な会社を1つ挙げるとすると、専門家の99%が選ぶのが、伊那食品工業」だそうです。
創業以来48年間、連続で増収増益もすごいですが、もっとすごいのは、実質的な創業者である、塚越寛会長の在り方です。
経営にとって「本来あるべき姿」とは、「社員を幸せにするような会社をつくり、それを通じて社会に貢献することである」と定義しており、それを本当に実践しているからです。
坂本先生の考え方を完全に体現しているのが、伊那食品工業なのです。
塚越会長の原点、本質がどこにあるかというと、高校生の時に3年間結核で、病院生活を送ったことです。
死の淵を感じて知った「有限の命の重み」
パナソニックの創業者松下幸之助さんや京セラの創業者稲盛和夫さんも若い頃に結核で死の淵をさまよっています。
この経験が非常に大きいようです。
つまり3人とも、死を自覚したので”与えられた命””有限の命の重み”を誰よりも知っていたからです。
中世までのヨーロッパを支配した「メメントモリー(死を思え)」の考え方を理解しているかどうかで人生は大きく変わると思います。
日本でも「平家物語」「方丈記」「徒然草」などの中世の文学作品はどれも、無常観を謳った文学です。
死が常に日常にあった中世の日本でさえ、死を忘れている人がほとんどだと嘆いています。
それぐらい死を意識することは難しいと思います。
私を含めて、誰も自分が死ぬとは思っていませんからね。
死を意識するための「100年カレンダー」
しかし、未来で確実なことは、老いと死だけで、生あるものは100%老いて死んでいきます。伊那食品工業では、死を社員に自覚させるために、100年カレンダーを使っています。
自分の死ぬ日を決めさせるのです。
これはいいと思いました。死の見える化ができるからです。
私も早速、伊那食品工業で販売しいる100年カレンダーを買って、自分が死ぬ日を決めました。
もちろん仮ですが。(笑)
伊那食品工業の100年カレンダーは、現地でしか買えませんが、ネットなどで各種100年カレンダーは買えます。
ぜひ、使ってみてはいかがでしょうか?
伊那食品 塚本会長の著書紹介
塚越会長の本を読むとわかりますが、感動レベルの経営をされています。
「リストラなしの「年輪経営」: いい会社は「遠きをはかり」ゆっくり成長 」
(光文社知恵の森文庫) 塚越 寛 (著)
塚越会長に直接お会いして、直接質問する機会を頂けました。
ちなみに質問は、「塚越会長が影響を受けた経営者について」です。
一番影響を受けたのは、出光興産の出光佐三さんだとおっしゃっていました。特に「働く人の資本主義」に多大な影響を受けたそうです。
今読むと、古く感じる部分も確かにありますが、大部分は、普遍の経営法則だと思います。
塚越会長は、この本を手本にして、実践したことがよくわかります。
いや、よくもここまで、この内容を実践できたなと感動を覚えます。
ぜひ読んで見てください。
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