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文藝春秋の面白さ、「いつも成功する人の習慣」

文藝春秋2017年3月号が面白いです。

文藝春秋2017年3月号[雑誌] Kindle版

 

まずなんと言ってもこの号は、毎年恒例の芥川賞受賞作品が全文読めます。

2017年は、山下澄人さんの「しんせかい」でした。単行本で1700円以上、キンドルでも1300円以上しますから、文藝春秋は1000円しませんからそれだけでも十分お買い得なんです。

芥川賞は、時代を表す作品が選ばれますから、世の中の流れを知るためにも読んでおきたい作品です。

 

いつも成功する人の習慣

私が一番興味を持ち、かつ面白かった記事は、日本ハムの栗山監督の記事でした。

昨年大逆転で日本一になった栗山監督は、毎年元日に、自分との「十の約束」をノートに書いています。

例えば、「絶対にうそをつくな」「言ったことは必ずやれ」「お前は選手よりも偉くない」など。

監督になった時から書き続け、毎年半分くらいは同内容です。

今年は「勘違いするな」「浮かれるな」というような戒めの言葉が多々あったそうです。

理由は、日本一を達成したからとって慢心せず、さらに強くチームを作りたい気持ちが無意識にあるからです。

 

全ての判断基準は「選手のためになるか、ならないか」

栗山監督は、東京学芸大学卒業後、1984年にドラフト外でヤクルトスワローズに入団。

恵まれた体や才能はありませんでしたが、ゴールデン・グラーブ賞に輝くなどの活躍をしました。

引退後は、テレビ、新聞で野球評論家、スポーツジャーナリストとしてして活躍しました。

2011年10月に北海道日本ハムファイターズの監督に就任しました。

日ハムのゼネラルマネージャーの吉村浩氏と公私でも深い付き合いがあったからでした。

栗山監督は、選手のために尽くすことだけを考え、判断基準はただ、「選手のためになるか、ならないか」のみだと言います。

 

野球で成功するために、選手には毎日の読書を。

栗山監督は、選手全員に渋沢栄一の「論語と算盤」を配っています。

論語は道徳、算盤は利潤のことです。この本をすすめてる理由の一つは、「運」の捉え方を学んでほしいからです。

なぜなら、野球では、球をバットの芯で捉えて打っても打球が野手の正面に行けばアウト、打ち損なっても塁間を抜ければヒットになるからです。

でも、その運を自分のものにできるかどうかは「徳」、つまり他人のために尽くせる人物であるかどうかだと、この本は教えてくれるのです。

そもそも徳と金儲けは相反するもののようですが、渋沢栄一は論語の哲学を守り抜いて日本に500以上もの大会社を作りました。

野球も同じなんだということを、栗山監督は伝えたいそうです。自分のことばかり考えていては駄目だと。

日ハムでは、新入団選手は最初の休日に本を買いに行き、毎朝食後の十分間は読書する、というルールがあります。

なぜなら、彼らにとって一番大切なことは野球で成功することです。

そのために、選手として少しでも成長したいと思ったときに、必要なことを学ぶ方法を知るきっかけを球団は与えているのです。

埼玉(現、りそな)銀行出身で、かつて「企業再建の鬼」の異名をとった経営評論家で、中国古典の名解説者の故・井原隆一さんの解説をまとめて録音したCDを車に積んでおいて、北海道では試合の帰りに毎日二時間は聞いているというから恐れ入ります。

まさに、井原隆一さんが完全に栗山監督の中に入っているのではないでしょうか。

私は、早速、井原隆一さんの著書を購入しました。

知が次々と繋がっていくこと、これぞ本当の教養だと思います。

音声教材は、本当に素晴らしいです。

アメリカは、車社会で、音声教材が発達しました。

本よりも耳から聞く方が効果があるようで、同じ内容を何度も聞いていると、その内容が体の中に自然と定着すると言われています。

このように成功する人は必ず、成長意欲が強く、自分を律することができて、自分なりの理論を確立しています。

栗山監督が、選手としても、評論家としても、監督としても成功を続けている理由は、そこにあるのでしょう。

この辺の成長意欲や、人間性を重んじるところは、師匠筋に当たる野村克也さんの影響のように感じます。

 

文藝春秋2017オススメ記事

他にも、文藝春秋でオススメしたい記事がいくつかあったので、簡単に紹介します。

リンダ・グラットン

人生100年時代のライフスタイルを提案する「ライフシフト」の著者リンダ・グラットンの記事は興味深いです。

現在の18歳から30歳のミレニアム世代は、100年時代をみこして、あえて勉強、結婚などモラトリアム期間を長くしていると言います。

感動ポルノ

乙武洋匡さんの「感動ポルノ」の記事も面白かったです。
タイトルだけで、読みたくなる秀逸なコピーです。

「感動ポルノ」とは、オーストリアの人権活動家であるあるテラ・ヤング(故人)が2012年に初めて使った言葉で、彼女は障害者がやたらと感動的に扱われる現象について、皮肉をこめてこう読んだのです。

乙武氏曰く、「ボクはマジメなんかじゃない」と必死にアピールしていたが、この頑なまでの「だって障害者は」という形でイメージを突然崩すことができず、疲れ果ててしまった。
もう、いいよ、はい、いい、マジメで、頑張り屋ね。何とかご期待に応えてみるよと思ったが、まったくもって応えられなかったのは、みんなさんご存知の通りである。(笑)

 

トランプはサイコパスである

現在20万部のベストセラーになっている「サイコパス」の著者中野信子さんによる「トランプはサイコパスである」も読み応えありますね。

近年、脳科学が劇的に進歩したことで、サイコパスの正体は明らかになりつつあります。

サイコパスは、決して「冷酷な殺人犯罪」はありません。

「サイコパス=犯罪者」といったレッテル貼りは非常に危機です。

一般人の中にも多数存在する人格で、さまざまな統計を元にすると、
百人に一人はサイコパスだと言われています。

しかも、政治家や大企業のCEO、弁護士、外科医など、時には冷静な判断が求められるリーダーには、実はサイコパスが多ければ分かってきました。

彼らは周囲の人を強く惹きつける力を持って、巧みに他者を利用します。

 

読書においてKindleがオススメな理由

私は最近は、キンドルで買える本は、全てキンドルで買っています。

理由は、在庫を持たないで、どこでも読めること、検索などでデータの管理がしやすいこと、そして最大の理由は、キンドルのハイライト機能を使うことで、書籍の文章の転用が容易にできるようになるからです。

これは便利です。

本の内容をそのままコピペできるので、書く手間が、かなり削減されます。

少しでも楽をしたい、怠け者の自分には、なくてはならないツールなんです。

キンドル上で、ハイライト(色付け)した文章を全て一括して見ることができ、しかもコピーが無制限にできます。

最近はこのような、数年前には、夢のような機能が次々に生まれています。

キンドルのハイライト機能を詳しく知りたい方は、以下のサイトをご覧ください。
https://nelog.jp/amazon-kindle-highlight

文藝春秋2017年3月号[雑誌] Kindle版

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経営コンサルタント・作家・五反田”選書する書店フォルケ”店長。 高校を半年で中退後、2年間の引きこもり期間に古典文学と出会い、人生が変わる。 東京都内での新聞販売店経営を経て、経営コンサルタントに。 世界No.1のスモールビジネスの権威マイケルE.ガーバーより直接教示を受ける。

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著者プロフィール


経営コンサルタント・作家・五反田”選書する書店フォルケ”店長。
高校を半年で中退後、2年間の引きこもり期間に古典文学と出会い、人生が変わる。
東京都内での新聞販売店経営を経て、経営コンサルタントに。
世界No.1のスモールビジネスの権威マイケルE.ガーバーより直接教示を受ける。

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